試験科目について
東工大電電の試験科目は電気数学、電磁気学、電気回路の3つです。電気数学と電磁気学は90分、電気回路は1時間の試験時間です。ここではそれぞれの試験の特色について少し触れたいと思います。
電気数学
電気数学は、微分方程式、フーリエ解析、複素関数、ラプラス変換、ベクトル解析、確率統計といった6つの科目から構成されており、すべてが出題されるわけではなく、この内の3つが出題されます。
電気数学が試験科目に追加されてからまだ5,6年なので完全な傾向はわかりませんが、出題頻度は微分方程式=複素関数=フーリエ解析>ラプラス変換>>ベクトル解析=確率統計といった感じです。H31年度では出題頻度の高い3つがそのまま出題されました。出題頻度の低いベクトル、確率はH26年度の一度しか出題されたことがありませんが、万が一が怖かったので私は勉強していました。捨てている方も多かったです。
出題範囲をまとめてみました。出題されている科目が偏っていることがわかると思います。
試験実施年度 | 試験科目:電気数学 |
H25 | フーリエ級数展開、確率統計、2階微分方程式 |
H26 | 2階微分方程式、複素解析、畳込み積分(フーリエ) |
H27 | 複素解析、サンプリング(フーリエ)、偏微分方程式 |
H28 | 連立常微分方程式、複素解析、積分(おそらくフーリエ) |
H29 | 常微分方程式、ラプラス変換、フーリエ級数展開、複素解析 |
H30 | 偏微分方程式(常微分方程式に帰着)、複素積分、離散フーリエ変換 |
想定問題 | 2階微分方程式、複素フーリエ級数展開、確率統計 |
電磁気学
電磁気学はコンデンサから電磁波まで非常に幅広く出題されており、対策は大変です。私は一番苦労したかもしれません。出題の仕方に癖があるのですが、最近の3年はちゃんと読めば基本的な定理を使うだけみたいな問題が多いので、適切な問題集、教科書で勉強すれば点数は取れると思います。
電磁気学はコンデンサがほぼ毎年出ていますね。重点的に学習するべきだと思います。
試験実施年度 | 電磁気学 |
H20 | コンデンサ、磁気回路 |
H21 | 誘電体を含むコンデンサ、磁気回路、アンペアの法則 |
H22 | ガウス、アンペア、ファラデー、電流の伝搬 |
H23 | コンデンサ、ビオ・サバール |
H24 | 球体の映像法、電流の伝搬 |
H25 | 誘電体を含むコンデンサ、磁気回路 |
H26 | コンデンサ、ベクトルポテンシャル、磁性体 |
H27 | 誘電体を含むコンデンサ、ポアソン方程式、アンペア、ファラデー |
H28 | コンデンサ、磁場の鏡像法、ビオ・サバール、 |
H29 | アンペア、ビオ・サバール、コンデンサ、電磁波 |
H30 | コンデンサ、電気双極子、磁気回路 |
想定問題 | 誘電体を含むコンデンサ、電流の伝搬、変位電流 |
電気回路
電気回路はその名の通りの電気回路と電子回路が出題されます。そのはずだったのですが、H31年度では電子回路が出題されませんでした,,,,,,
おそらく大多数の大学で学ぶ電気回路の範囲から幅広く出題され、それには分布定数回路も含みます。でも分布定数回路はここ3年は出題されていません。電磁気学よりも電気回路のほうが対策しやすく、点数を稼げる科目だと思います。
試験実施年度 | 電気回路 |
H20 | 三相交流、分布定数回路、コイルのQ値 |
H21 | テブナン、消費電力最大化、F行列、Q値、位相 |
H22 | 過渡応答、フーリエ |
H23 | Z行列、重ね合わせ、電力最大化、分布定数回路 |
H24 | F行列、インピーダンス整合、三相交流 |
H25 | 交流回路、過渡応答、MOSFET(少電流等価回路) |
H26 | 分布定数回路(Sパラ)、過渡応答、三相交流、オペアンプ |
H27 | 変圧器、分布状数回路、MOSFET |
H28 | 過渡応答、MOSFET |
H29 | オペアンプ、インピーダンス整合 |
H30 | テブナン、重ね合わせ、交流の過渡応答 |
想定問題 | 交流回路、過渡応答、MOSFET(発振回路) |
それぞれの科目について他の記事で勉強法を述べたいと思います。